産後ドゥーラの声

〔産後ケア〕「産後の生活を導いてくれる存在。ドゥーラは頼れる家族の伴走者です。」

2016.11.22

双子のお子さんを出産されたI.K様ご夫妻から、感謝のメッセージが届きました。
産後ドゥーラを依頼されるまでの経緯、ドゥーラサポートがどのように役立ったかという
内容やご主人様のコメントもいただきました。

「産後の生活を導いてくれる存在。ドゥーラは頼れる家族の伴走者です。」

今年1月に双子を出産し、4月から産後ドゥーラの西公子さんに定期的に来て頂いています。私の住んでいる中野区では産後ドゥーラの利用補助の制度があり、初めはそちらを利用しました。区からの補助が出るのは15時間ですが、補助終了後も継続をお願いしています。

~産後は、夫と母の手伝いで何とかなるだろう・・・と思っていた~

産前からこの制度を知ってはいましたが、はじめは利用する気はありませんでした。双子妊娠中、幸い経過は順調で、産後の生活についてもそれなりに準備はしていたつもりでした。
夫の両親は高齢、私の両親は働いているため日常的にサポートを受けることはできませんが、夫は比較的時間の自由が利く仕事で在宅していることも多く、私の母も週末は手伝いに来てくれることになったので、双子といえども「何とかなるだろう」とぼんやり考えていました。

~産まれてみると、予想外の展開に~

しかし、いざ子どもが産まれてみると、自分達の考えが甘かったことがわかりました。双子育児は物理的に大変なことも多く、夫婦ふたりでは到底乗り切れるものではありませんでした。私自身、双子妊娠による体力低下に加え、帝王切開の術後の痛み、産後すぐからの母子同室による疲れ、そしてなにより、2人の新生児を育てなくてはいけないというプレッシャーに、心も体もボロボロになっていました。
特に精神面での落ち込みが激しく、今思えば産後うつのような状態になっていたと思います。
中野区では産褥入院の補助制度もありましたので、急遽産後1カ月に5日間助産院に入院。同時に、保健師さんのすすめでドゥーラへの依頼も決めました。

~ベビーシッターも検討したけれど負担増しに~

当初は「ドゥーラは区の補助がでる時間だけ利用してみよう」という考えで、あとはベビーシッターを利用するつもりでした。しかし、産後の疲れた頭で数多くあるベビーシッター会社を検討する余裕もなく、試しに数回預けてはみたものの、私自身が精神的に不安定だったこともあり、生後間もない双子を預けることに気持ちが追い付かず、信頼関係を築くまでには至りませんでした。また、オプションで家事サービスもありましたが、毎回指示を出さなくてはいけないため負担になることもありました。

~我が家に必要なのは、産後ドゥーラ。困った時はドゥーラからアドバイスを~

その後、ドゥーラの西さんに来て頂くようになってからは不安や負担から解放され、「今の我が家に必要なのは産後ドゥーラだ」と確信するようなりました。西さんは生後間もない赤ちゃんの扱いに長けているのはもちろん、複数の赤ちゃんも手際よく見てくださいます。お料理やお掃除、生活の全般的なサポートをご自身の判断でテキパキと行ってくれると同時に、育児についての細かな不安や悩みを丁寧に聞いてくれ、的確なアドバイスを与えてくれます。

何もかもが初めてで、不安ばかりの第一子の子育てにおいて、信頼できる育児サポーターが寄り添ってくれているという安心感は何者にも代えがたいものでした。私も夫も、何か困ったことがあったら「今度西さんに聞いてみよう」というのが今では合言葉になっています。

~ひとりではないという安堵感。ドゥーラは産後の私の支えでした~

しかし何より、ドゥーラに来てもらってよかったと思うのは、母親である私のケアをしてもらえたことです。私は常に不安で疲れており、なにより子ども達に自分の思うように行き届いた世話のできない不甲斐なさに落ち込んでもいました。西さんはそんな私の話を毎回ゆっくり聞いてくれ、最後には必ず「Kさんは頑張ってる!えらい!」と褒めてくれます。子ども達のことも本当に可愛がってくれ、わが子のように成長を喜んでくれます。それがどれだけ私の支えになったことでしょう。

「自分はひとりではないんだ」という安堵感が私の心に生まれたことにより、少しずつ落ち込んだ気持ちも軽くなっていきました。信頼できる相手に「ゆっくり休んでください」と寝室に送りだされ、心身を休ませることができたおかげで、私は倒れることなくこれまでやってこられたと思います。

~親も成長させてくれるドゥーラ~

生後7ヵ月頃までは週に2~3回来て頂いていましたが、今では週1回に減りました。西さんはいずれ私たちがドゥーラから卒業し、夫婦だけで双子を育てられる日を迎えられるように、夫に具体的な育児参加の方法を提案してくれたり、双子を育てるための効率的な方法や、そろえるべき日用品について教えてくれたり、保育園や幼稚園についても相談に乗ってくれます。子どもの成長のみならず、私たち親の成長も導き、見守って頂いていると感じます。

~ドゥーラによる夫への育児指導も~

特に夫への育児指導はとても助かりました。お風呂の入れ方ひとつにしても、プロが丁寧に教えてくれることで、自信をもって入れられるようになりました。また、家族だけではつい甘えがちになってしまう中、頼れる第三者が傍にいることで、夫も主体的に育児参加について考えるようになりましたし、子どもを中心としたワークライフバランスについて夫婦で常に話し合う環境が自然と整えられていきました。

~産前からドゥーラサポートの利用を~

できることならば、産前からドゥーラのサポートを受けたかったと思います。そうすれば、産後の生活についてもっと具体的に把握でき、そのための計画や準備もできたはずです。もっとゆったりとした気持ちで産後を過ごすことができたのではと考えると少し残念に思います。

西さんという頼れる伴走者がいてくれたことで、私たち家族はここまで走ってこられました。本当にありがとうございます。産後に家族以外の手助けを得るという考えはまだ一般的ではないと思いますが、産後ケアの重要性がより広く社会に認知されることを願っています。

◆ ご主人様のコメント

出産前は心構えをしていたつもりでしたが、実際子供が産まれてみると育児をする意識がなかなか育たず、妻に全てを頼ってしまいました。そのため妻は産後うつのような状態に陥り、私も何をしていいかわからず、途方に暮れる日々でした。そのような状態から抜け出せたのは、産後ドゥーラのサポートのおかげだと思っています。ことに、何をしていいかわからなかった私にとって、状況に応じてのアドバイスがあったことは大変な助けとなりました。西さんが子供の成長をきめ細かく見守り、適切なアドバイスをしてくれたおかげで、すべき作業もつかめるようになり、育児に対する意識もだんだん育っていきました。


DATA

  • ご利用者様:I.Kさま(30代)
  • お子さんの月齢:双子くん2カ月(サポート開始時)
  • ご利用頻度:開始時は2回/週、8時間/回
         現在は1回/週、3-8時間/回
  • サポート内容:料理、赤ちゃんのお世話(沐浴、散歩含む)
  • 育児指導(浴室での入浴・抱っこ紐等使い方・離乳食準備など)、病院等付き添いなど
「産後の生活を導いてくれる存在。ドゥーラは頼れる家族の伴走者です。」

産後ドゥーラ西公子さんからのメッセージ

双子ちゃんの子育ては ご夫婦の協力が不可欠です。
初めてお伺いした頃は、ご夫婦共にとても頑張って子育てをされていましたが、心と身体が疲れているのを感じましたので、まずはご夫婦の睡眠確保、その後はお母さんの気持ちに寄り添い、お聞きしながら、お母さんの選択に合わせてエンパワーの言葉がけを心がけました。

「産後の生活を導いてくれる存在。ドゥーラは頼れる家族の伴走者です。」

初めての育児、特に双子ちゃんとなると、不安や戸惑いも多いもの。当初は、双子ちゃん用ベビーカーでの散歩に不安があったそうで、「途中で2人同時に泣いたらどうしよう」と思うとなかなか散歩にも踏み切れなかったとか。そこで、ドゥーラが散歩に同行するようにし、時間帯を選び、短時間から慣らしていきました。

また首が座った頃には、おんぶ紐を使わせていただき家事をしたのですが、最初は、自分でおんぶしながら家事を行うことに戸惑いもあったようです。それでも意欲的におんぶ紐を使われ、いつの間にかおんぶに抱っこ、身体の前後を使って子育てされていると聞き、とても逞しくなられたご様子に嬉しくなりました。ご主人様には浴室での入浴の仕方を尋ねられ、海水パンツまで用意された事もありました(笑)

Iさんご夫妻は、コミュニケーションの時間も多く持たれる素敵なご夫婦です。ドゥーラとしては、普段の会話は聞き役に徹していますが、時には拍手を送り、言葉でご夫婦それぞれに感想を伝えるようにしています。ひとつ、ふたつ…とできる事が増え自信がついてくると、お互いの立場への理解へと繋がり、ご夫婦の笑顔が双子ちゃん達に多く注がれ、私までも嬉しくなります。

散歩、おんぶ紐、入浴など、実際ドゥーラがご自宅でやって見せることで、良し悪しが伝えられ、手順をつかんでいただくことも出来ました。ドゥーラはそっと寄り添い、時にやって見せ、背中を押して、時が来たら見送っていく。親子、夫婦の成長を身近で見せていただき、私も感謝の気持ちでいっぱいです。